ホタル 蛍 ほたる来い 

 自分はホタルが好きだ。子供の頃ホタルは観た事がなかった。この田舎でも、蛍は30年ぐらい前に居なくなってしまったらしい。おそらく農薬の影響だろうと年配の人たちは言っていた。なぜホタルに興味が湧いてきたのかは解からないが、10年ぐらい前から色々やっていた。

 インターネットで調べたり、昆虫ショップに行ったり、ボランティア団体の観賞させてくれるところも、十勝管内はだいたい行った。蛍のあの光が本当にきれいで、感動するし、癒される。源氏ホタルも見た事はあるが、空に飛んで光っている姿を見た事がないので、ヘイケボタルの光りながら飛んでいる姿の方がきれいに思う。

 色々やってきた事とは、13年前に北の国から初期をやりたくて、山の分譲地を500坪60万円で買った。そこに冬でも枯れない小川が流れているので、そこに10年前インターネットで買ったカワニナを放流しておいた。蛍のえさになってしまう。月日が流れ、去年なにげに小川をのぞいたら、黒い石みたいの物が結構あった。

 まさか と思って拾ってみると、カワニナさんだった。うぉーすげー、10年も気が付かなかったけど、ちゃんと環境に慣れて繁殖してくれていたんだーと思った。それだけで感動してしまったが、これは生態系を乱す事にも成るかもしれないので、怒られてしまうかもしれない・・・。

 とりあえず、エサが居るという事は、ホタルが生息できる環境かもしれない。ペットショップの人に聞いてみても、見てみないと解からないが、たぶん生息させられると思いますと言っていた。俄然やる気が出てきた。後は蛍を放して様子を観れば良いのかと。

 そして、去年から蛍が近くにいないか情報を集めていた。同じヘイケボタルでも種類があり、生態系に関係があるので、地元に居るホタルの方が良いと思ったからである。いまさら?感もあるが、そこは少しこだわっていた。

 それから、山の方で前に観たという情報をもとに、その友達と探しに行った。そしたら、ほんとに少しだけど飛んでいて、これはイケると思い捕まえてきた。卵をかえして幼虫に、それを放流すればと。

 しかし、そんなあまい物ではなかった。いろいろ調べてやってみたが、まず成虫の数が20匹ぐらいしかいないのと、メスの数、卵の数、幼虫の数、幼虫のえさ、その環境等で難しい。やってみた結果、全滅してしまった。それが去年の事である。

 今年はというと、去年の経験をもとに同じ事に改良してやっていた所、一気にテンションが下がる事があった。それは、今まで何度も探しに行って居ない日や、居ても2,3匹を捕まえて、集めていて大変な作業だったけどそれなりに楽しくやっていたのに。

 それがある日、場所も変えたのと蒸し暑い日だったのとで、たくさんのホタルが飛んでいた。最初は、網で夢中になって捕まえた。これはすごい、たくさんとれるぞ。虫かごの中もたくさん光っている。飛んでいるのはオスばかりなので、草にいる蛍も採った。オスばかりいても仕方がないので、飛んでいるのは観るだけにした。あまりに綺麗なので、すわって夜空に光る蛍に見入ってしまった。本当に感動した。

 きっと自分はこういう光景を観るのを自分の山でやりたかったんだなぁと思った。そしたら急に、むなしくなってきた。自分のエゴでこういう綺麗な姿を作りだしてどうするんだと。観たくなったらここに来て、見させてもらえばいいんじゃないかと。そう思うと、虫かごのホタルを逃がしてまた座って観ていた。星空と蛍の光で幻想的だった。しばらく見て家に帰った。やってきた事に後悔はないが、感動した半面、急に目標が無くなった気になってしまった。  おわり    




上村 松園

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